VistaPEを簡単に作ろう

VistaPEとは

VistaPEとは、Mirosoft純正のWinPE (Windows Preinstallation Environment)をベースに、色々なアプリケーションや機能を追加したり、普通のWindowsに操作感を近づけたりということを目指した有志のプロジェクト、およびその結果として作製される完成品を意味する。

このプロジェクト用に英語フォーラムが公開されており、機能を追加するスクリプトなどが配布されている。

そして、これらの公開スクリプトをダウンロードし、自分好みにカスタマイズし、VistaPEをビルドする統合開発アプリケーションがWinBuilderである。WinBuilderを使うことによって、ブータブルCD形式のVistaPEやUSBメモリからブートするVistaPEを簡単に作ることができるのだ。

実際にVistaPEを作って使ってみると、普段Windowsを使っているユーザーにはとても馴染みやすい操作感のOSであることが分かる。KNOPPIXなどのLINUXディストリビューションを使ったことのある人は、あれのWindows版をイメージすれば良い。BartPEを使ったことのある人は、XPベースがVistaベースになったものと思えば良いのだ。

VistaPEの問題点

上記のようにとても魅力的なVistaPEなのだが、あまり普及しているとは思えない。某巨大掲示板のスレッドの勢いなどを見ると、はっきりと過疎化している。私が思うにその原因は次のようなものであると思う。

これらの理由から、ユーザーが次第に離れてしまったのだと思う。

例えばXPベースのBartPEの時には、プレインストールPCユーザーの為にI386フォルダからビルドする方法が生み出されたり、能力の高い有志がExplorerやInternet Explorerを組み込む方法を編み出し、その状況にその他の好奇心に満ちた人々が追随して気運が盛り上がったという歴史がある。

しかしVistaPEの場合は、どうも早々に見放されてしまい、日本ではいまいち盛り上がらないまま、次のWin7PEの時代が来てしまったという感じである。

この頁を書いているのは2009年7月である。なぜVistaが終焉を迎えるこの時期に、あえてVistaPEの解説ページを作るのか?という理由は以下のようなものである。

このコーナーの方針

という方針をとる。作製環境はWindows XPである。もちろんVistaでも良い。ただし最新のサービスパックが当ててあることを前提としている。

上の3項目は、少しVistaPEを知っている方にとっては「エエーッ!?」というような内容である。この3項目を同時に満たす方法は無いというのが一般的に言われている常識だからだ。

しかし多くの人に作ってもらうためには、ハードルは低ければ低いほど良い。そのためには、有料のものとか、作製環境を汚すものとか、使い慣れないものとかはマイナス要因になってしまう。極力障害をなくすというのが基本方針だ。

もうひとつ、VistaPEは多種多様なカスタマイズが魅力だが、このコーナーで紹介するものは基本的な機能のみを持ったものだけである。多機能であることはとても魅力的なことだが、機能を盛り込むほどに予期せぬエラーを発生しやすくなる。最初の取っ掛かりとしてベーシックなものをきちんと完成させる事を重視している。基本的なやり方を習得したら、興味のある方は次のカスタマイズ段階に進めば良いと思う。

だが基本的なものといっても落胆することはない。実際に作ってみると分かるが、これはこれでなかなか多機能である。少なくてもレスキューツールとしては申し分のないものである。

用意するもの

1.WinBuilder

WinBuilderのサイトに行き、Downloadsボタンをクリックし、WinBuilder.exeをダウンロードする。

ハードディスク上にフォルダを新規作成し、その中にダウンロードしたWinBuilder.exeを移動しておく。このフォルダは、日本語や空白が入らない浅いパスが良い。たとえば、C:\WinBuilderのような場所が良い。(つまりWinBuilder.exeのフルパスは、C:\WinBuilder\WinBuilder.exeになるわけである。)

2.Windows Server 2008 評価版

先ほどの「エエーッ!?」への回答がこれである。これを入手してVistaのDVDの代わりに使うのだ。つまり入手してもインストールする必要はない。VistaPEの必要なファイルの提供元として利用するだけである。Windows Server 2008は見事にVista DVDの代役を果たす。

Windows Server2008 評価版 ダウンロードリンク

注:

Microsoftのダウンロードページは頻繁にURLが変わってしまうので、もしも上のリンクが切れていたら、Microsoftのダウンロードセンターのトップで、Windows Server 2008 で検索して欲しい。

上のMicrosoftのダウンロードセンターのページで、水色の背景の枠部分で、言語が日本語になっていることを確認しておく。万一日本語以外になっていたら、プルダウンメニューから「日本語」を選びなおす。ページを下の方にスクロールしていくと、下図のようなボタンが見つかると思う。

64bit/32bit

amd64というのが64bit版、x86というのが32bit版である。通常は32bit版で良いと思う。ダウンロードボタンを押して、ローカルHDDにisoファイルを保存しよう。


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