使い方の実例…【Orca】だけをインストールする


■【Orca】について

ここまでのページの解説で、Microsoft製のMsiファイル用エディタである【Orca】を使って、Msiファイルのデータベースをお見せしてきました。

この【Orca】はMsiを分析する上では大変便利なソフトなのですが、通常は単独でインストールできません。【Platform SDK】というプログラマー用のソフトをインストールすると、【Orca】をインストールするためのインストーラー(Orca.msi)が展開されます。そのOrca.msiを実行することで、初めて【Orca】がインストールできて使えるようになるのです。Platform SDKはサイズが巨大ですし、プログラマー以外の人にはまったく必要のないものですから、これをインストールしないと【Orca】が使えないと言うのは理不尽です。もちろん【Platform SDK】がインストールされていない環境でも【Orca】は普通に動作しますし、【Platform SDK】のインストールをしないと【Orca】を使ってはいけないというライセンスでもないのです。【Orca】も【Platform SDK】も通常の意味でのフリーソフトです。「Microsoftの配布形態は意地悪だ」と文句が言いたくなります。

【Platform SDK】インストール → 【Orca】インストール → 【Platform SDK】アンインストール と言う手順を踏めば【Orca】のみ使えますが、面倒ですし、いくらアンインストールしてもPC環境はすっかり元には戻らないのは皆さんご存知のとおりですから、不要で巨大なソフトを一時的にでもインストールするのは気が進まないと思います。

そこで、【MSI2FILE】を使って、できるだけ簡単に【Orca】だけをインストールする方法を紹介します。このような使い方こそ、【MSI2FILE】が最も真価を発揮する使い方だと思います。

■【Orca】だけをインストールする方法

1.まず【Platform SDK】のインストール用ファイルを入手します。しかし、現在の【Platform SDK】はサイズが数百MBもあるので、ここでは少し古いバージョンのものを入手することにします。それに伴い【Orca】のバージョンも古くなりますが、普通に使う分には全く問題ありません。

入手先

Windows Installer SDK (x86) (7.9MB)

あるいは

Windows Installer 1.0 SDK (x86) (6.7MB)

2.【MSI2FILE】を使って、上記入手先からダウンロードしたIntelSDK.msiの中身を抽出します。

3.抽出先フォルダにIntelSDK抽出ファイル群No.1というサブフォルダができたはずです。その中からOrca.msiを探してください。見つけたら、そのまま Orca.msi を実行してください。【Orca】のインストールが始まります。(英語です)

4.インストールが終わったら、IntelSDK.msiやIntelSDK抽出ファイル群No.1フォルダは丸ごと削除して結構です。

スタート→(すべての)プログラム→Orca で【Orca】を起動できます。

■【MSI2FILE】の存在意義と注意事項

上の実例のように、ソフト全部をインストールするのは避けたいが、一部の中身のファイルだけを有効利用したいという時に役立つのが、【MSI2FILE】の存在意義だと思います。

ただし、ライセンスなどには気をつけてください。合法的な範囲を逸脱しないようにご注意ください。

たとえば、「体験版をインストールしておいて、製品版のアップデート用ファイルから必要なファイルを抜き出して、体験版に上書きすれば正規版に早変り」などのこともできてしまうかもしれません。でも、このような違法行為は絶対ダメです。(ネットランナー風に言えば)ぶっこ抜きツールなので悪用厳禁!!でお願いします。