抽出後のファイルを確認する


■抽出先のフォルダについて

抽出作業が終了すると、メイン画面で指定した抽出先フォルダ内に、以下のようなサブ・フォルダが作成されます。(下図はbdfree.msi というファイルから抽出した例です。)

抽出図1

ずいぶん長ったらしい名前のフォルダですが、これらのフォルダの中に抽出したファイル群が収められています。

***.msi という名前のMsiファイルを指定した場合には、***リネーム情報欠如抽出ファイル群no.#***抽出ファイル群no.# というフォルダが作られます。必ず両方作られるわけではなく、片方だけの時もあります。「リネーム情報欠如とは何のことだ?」というのは、応用編のほうで解説します。またNo.#のほうも、1個から10個以上に及ぶ場合もあります。下図を見てください。

抽出図2

この例では、1個のMsiファイルからの抽出作業で12個ものフォルダが作られています。抽出フォルダの個数は、Msiファイルの中にいくつのキャビネットファイルが内包されているかによって決まります。これも詳しいことは応用編のほうで解説します。興味のある方はそちらをお読み下さい。

普通に使うぶんには応用編の内容など知らなくて構いません。抽出されたファイル群の中から必要なものを探して、有効利用してもらえれば、それで十分です。

ずいぶん無駄に長いフォルダ名だなと思われるでしょうが、これには理由があります。それは元々存在するような可能性が高いフォルダ名だと、抽出作業に支障を来たすからです。たとえばsample.msiを抽出してsampleというフォルダの中に抽出するような仕様にしておくと、もしも事前にsampleというフォルダがあった場合に、そのフォルダの中身が滅茶苦茶になってしまいます。そうかと言って(普通のアーカイバでよく見られるような)あらかじめ同名フォルダが存在していた場合のみリネームする方法だと、抽出作業を繰り返した場合の対処を考慮して設定ファイルなどを残す仕様にする必要がでてきます。それらのことを総合的に勘案し、普通ではありえないような命名をしてフォルダを作り、そこに抽出する方法を採っています。

また、【MSI2FILE】を使って、***.msiと言う名前のMsiファイルから抽出作業を試みる場合、抽出先に指定したフォルダにあらかじめ***リネーム情報欠如抽出ファイル群no.#あるいは***抽出ファイル群no.# というフォルダが存在していれば、抽出作業の開始時にそれらのフォルダを丸ごと全消去してから抽出作業を開始する仕様になっています。これはリネーム機能で不慮のトラブルを起こさないためです。(リネーム機能については、このあと取り上げます。)

以上のことから、もしも他所から大切なファイルを持ってきて、これらの抽出ファイル群フォルダの中に保存しておき、もう一度同じMsiファイルの抽出作業を繰り返すと、大切なファイルもバッサリと一緒に消されてしまいます。くれぐれも大切なファイルをこれらのフォルダの中に持ってこないで下さい

【MSI2FILE】の正しい使い方としては、この抽出ファイル群フォルダから必要なファイルのみを選び出して他の場所にコピーしておき、そのあとはフォルダごと消してしまうというのが良いと思います。抽出ファイル群フォルダは抽出作業のための一時的な場所として扱って下さい。

■抽出ファイルについて

それではいよいよ、抽出ファイル群フォルダの中の、抽出したファイルを見てみましょう。下に一部を図示します。

同名ファイル

ここで注目して欲しいのは、先頭に [2] あるいは [3] などという名前のついたファイルです。上の図で同色で囲んだグループは、本来は同名のファイルです。これらのファイルが1つのキャビネットファイルの中に圧縮されて収められていました。それを解凍するとファイル名が重複してしまうため、2つめからの同名ファイルには接頭詞を追加して保存するようにしています。1つの圧縮ファイルの中に同名のファイルが複数含まれているなどということは常識では考えられないと思う人も多いと思います。これも詳しいことは応用編で解説します。

ただ少しここでも触れておくと、上のmsvcp80.dll という名を持つ3つのファイルは、圧縮ファイルの段階では、それぞれ
msvcp80.dll.98CB24AD_52FB_DB5F_FF1F_C8B3B9A1E18E
nosxs_msvcp80.dll.98CB24AD_52FB_DB5F_FF1F_C8B3B9A1E18E
ul_msvcp80.dll.98CB24AD_52FB_DB5F_FF1F_C8B3B9A1E18E
という別名に変更されていました。そのために1つの圧縮ファイルの中に収めることが可能になっていたのです。

【MSI2FILE】で抽出した際には、この英数字の羅列のようなファイル名のままでは使いにくいですから、本来のファイル名に戻すようにリネームし、もしも重複するようならば接頭詞を追加しています。この機能こそが、一般的なアーカイバには無い、Msi抽出専用ソフトの強みと言えます。

接頭詞をつけたものも含めて、同名ファイルの中でどれが自分の求めていたファイルなのかは、各ファイルのプロパティなどを見て判断してください。その際は、接頭詞を取り去ったファイル名が本来のファイル名であることをお忘れなく。