4.秀丸の設定 その3 (ツールバーのカスタマイズ)

前のページまでで、秀丸マクロの登録が済みました。あとは、マクロを呼び出しやすいように、秀丸のツールバーにマクロボタンを追加します。マウス派の人は必須です。キーボード派の人は、ショートカットキーで呼び出すほうが簡単なので、この項目の設定は不要でしょう。

  1. 秀丸エディタのメニューの[その他]→[動作環境] をクリックします。
    動作環境...
  2. ウィンドウページの 1番上の[詳細] ボタンをクリックします。
    ウィンドウ→詳細
  3. コマンド欄のドロップダウンメニューを開きます。
    コマンド
  4. ドロップダウンしたリストから[メニュー/マクロ系] をクリックします。
    ドロップダウンメニュー
  5. 右の窓で追加したいボタンを選択して、[<< 追加] ボタンを押すと左の窓に追加されます。左の窓にあるボタンが実際の秀丸エディタのツールバーに表示されるボタンです。[OK]で確定します。
    ボタンを追加
  6. 秀丸のツールバーに、マクロ用のボタンが追加されました。これで、ワンクリックでビルドできるようになりました。
    ツールバー

5.秀丸マクロを調整する

マクロのダウンロードページにも書きましたが、マクロの中で必要な場所にパスを通してあります。このおかげで、OSの環境設定でパスを通しておかなくても使えるようになっています。ただし、ここでのパスはコンパイラなどを標準状態でインストールした場合のパスなので、自分で設定を変えた方や、そもそもシステムがCドライブでないような人は、パスを書き換える必要があります。といっても、そんなにややこしいものではありません。せいぜい、C:\をD:\に置換するくらいの作業です。

マクロの意味は、秀丸エディタ添付のマクロヘルプを参照してもらえればわかると思います。しかし何の説明もしないのもなんなんで(笑)、一番基本的なbcc.macを例に解説します。

if(filetype=="new"){
message "ファイルが未保存状態です\n\nまず名前をつけて保存してください";
endmacro;
}

ファイルが保存されていないとき(無題の時)は、まず名前をつけて保存するように促します。

$source_file=basename2;
if(!((rightstr($source_file,2)==".c")||(rightstr($source_file,2)==".C")||(rightstr($source_file,4)==".cpp")||(rightstr($source_file,4)==".CPP"))){
message "拡張子が【C】または【CPP】以外のファイルは\nコンパイルできません";
endmacro;
}
save;

拡張子が、cまたはcppでないときは、正しいビルドが期待できないので、マクロを強制的に中止します。拡張子が正しければ、ファイルを自動的に上書き保存します。したがって、書き換えてはビルド前に上書き保存するという手間を省けます。

$file_name=leftstr($source_file,strstr($source_file,"."));
$exe_file=$file_name+".exe";
$obj_file=$file_name+".obj";
$tds_file=$file_name+".tds";

Cソースファイルのファイル名から、exeファイル、objファイル、tdsファイルのファイル名を規定します。最初のドットの位置までの名前にするようになっています。例:test.c→test.exeなど。ですから、test.1.cなどと言う名前は避けてください。

newfile;
showwindow(0);
insert "@echo ***ビルドを開始します。しばらくお待ちください。***\n";
insert "@echo.\n";
insert "@echo off\n";
insert "if exist "+$exe_file+" del "+$exe_file+"\n";
insert "if exist "+$obj_file+" del "+$obj_file+"\n";
insert "path = C:\\borland\\bcc55\\bin\n";
insert "bcc32 -W -w- "+$source_file+"\n";
insert "@echo.\n";
insert "pause\n";
insert "if exist "+$tds_file+" del "+$tds_file+"\n";
insert "del build.bat";
saveas "build.bat";

build.batというバッチファイルを秀丸で作ります。ただしこれが表示されると煩わしいので、非表示にしています。中身は、insert行に記載されたものです。説明すると、まずあらかじめ、すでに存在するexeファイルと、objファイルを削除します。bccのbinフォルダにパスを通しておいて、bcc32.exeでコンパイルします。-w-は全ての警告を出さないオプションです。警告を確認したい人は、-w-を消去してください。そのあとに副産物であるtdsファイルを削除しています。最後に自分自身(build.bat)を消す命令を書き加えています。

runsync2 "build.bat";

build.batを実行します。上で書いた作業が実際にコマンドプロンプト上で実行されます。

runsync2 $exe_file;
if(!result)message "コンパイルできませんでした";

作成されたEXEファイルを実行します。コンパイルエラーなどで実行ファイルが存在しない場合は、代わりにエラーメッセージを出します。

exit;

マクロを終了します。

この中で、お使いの環境によって書き換える部分があるとすれば、青字の部分です。ここは、あなたの環境でbcc32.exeが存在するフォルダ名を指定する必要があります。

以上が、全マクロのうち最もスタンダードなbcc.macの説明です。ほかのマクロは、これをアレンジしたものと思っていただければ、ご理解いただけると思います。VC用では多少ややこしくなりますが・・・。


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