注) 秀丸マクロの使い方は、次のページです。VC Toolkitを使わない人は、直接どうぞ。


Visual C++ Toolkit 2003 での環境構築

1.はじめに

マイクロソフトが最適化機能を省略していないCコンパイラを配布するということで話題になったVC++ Toolkit 2003を取り上げます。これが登場した頃は、これから続々とフロントエンドソフトが発表されるのかと思っていたのですが、どうもそうではないようです。これは、Toolkitに標準で付属するインクルードファイル群やライブラリ群が最小限度のものでしかなく、各ユーザーが別途用意する必要があるという点がネックになっているのかもしれません。もともとは、VC++ Standard版のユーザー向けにProfessional仕様のコンパイラを配布するのが目的なので、これ単独で何かを始めようというのは、そもそも視野に入っていないのかもしれません。

このページでは、このコンパイラを使ってWisdomSoftの学習をできるように、順を追って説明していきます。Borland C++ Compilerの項目と違い、詳しく扱っているサイトが少ないようなので、なるべく詳しく記載しようと思います。

2.Visual C++ Toolkit のインストール

2006年4月末になって、MicrosoftはVisual C++ 2003 Toolkit の配布を中止しました。VC++ Expressの無料配布が決まったため、そちらに移行ということのようです。

現状ではVCToolkitSetup.exe という31MBほどのインストール用ファイル名で、Google検索して見つけるしかありません。

標準でC:\Program Files\Microsoft Visual C++ Toolkit 2003にインストールされると思います。このコーナーで配布している秀丸マクロは、標準状態に合わせて作ってあるので、なるべくそのままインストールしてください。異なる場所にインストールした場合は、ご自分で秀丸マクロを一部書き換えて使用します。

3.Platform SDK のインストール

Win32のGUIプログラムを作るためのファイル群は、Visual C++ Toolkit 2003 には含まれていません。そこで、マイクロソフトのPlatform SDKをインストールします。2005年4月からは、Windows Server 2003 SP1 Platform SDKが配布されています。

Windows Server 2003 SP1 Platform SDKのインストール方法は、現在3通り準備されています。

  1. 開始実行ファイルのみローカルにダウンロードして、そこからWebインストール
  2. フルファイルを分割ダウンロードして、ローカルでインストール
  3. CDイメージをダウンロードして、ローカルでインストール

個人的には、CDイメージを使った方法を薦めます。Webインストールでは環境によってエラーが出やすいように思います。一旦インストール作業に入れば、3つの方法とも、やりかたは共通です。

以下、注意点のみ書きます。

○インストールタイプの選択では、Custom を選びます。(Typical にすると全てインストールされます。HDDの容量に余裕があれば、こちらでもかまいません。)
インストールタイプの選択画面
○下の画面になったら、必要なもののみ選んでください。私は赤く囲ったところ以外は全て×にしました。この設定は後からでも追加インストールで付け加えられるので、とりあえず解らなければ、下の画像どおりに真似しておいてください。
選択画面

4..NET Framework 2.0 のインストール

Windows Updateを使うのが最も簡単です。Windows Updateのページから、.NET Framework 2.0を選びます。重要な更新のカテゴリではなく、その次のカテゴリにあります。

.NET Framework 2.0に関しては、既にインストール済みの方も多いと思います。その場合は、そのままで結構です。自分のPCに.NET Framework 2.0がインストールされているかどうか分からない時は、コントロールパネルのプログラムの追加と削除の一覧に.NET Framework 2.0の名前があるかを確認すれば良いです。

直接ダウンロードしてインストールしたい方は、MSDNのダウンロードページからどうぞ。【.NET Framework 2.0 再頒布可能パッケージ】と【.NET Framework 2.0日本語Language Pack】 をインストールします。

5.秀丸マクロの準備

BCCの時と同じく、秀丸エディタからマクロを使ってビルドします。VC Toolkitの場合は、専門のフロントエンドソフトが少ないこと、コマンドラインオプションが長くて手で打ち込むのが煩わしいことなどから、ありがたさもひとしお(笑)だと思います。

VC Toolkit用秀丸マクロ詰め合わせセット(4.6KB)

実際の使い方は、この後のページで紹介しますので、ダウンロードだけしておいてください。

なお、BCCと違って、大事なファイルがあっちこっちにバラバラにインストールされているので、ここで確認しておきます。

本体とも言うべきコンパイラやリンカは、C:\Program Files\Microsoft Visual C++ Toolkit 2003\binにあります。

Platform SDKはC:\Program Files\Microsoft Platform SDKにあります。この下の階層のincludeフォルダやlibフォルダにGUIアプリ作成に必要なものが詰まっています。また、ここのbinフォルダの中のRC.EXE(リソースコンパイラ)も使います。

以前のPlatform SDK をインストールしてある方は、パスが C:\Program Files\Microsoft SDK だったりします。ご自分のPCのパスを確認して、必要ならばマクロを修正してください。

リソースコンパイルでは、cvtres.exeも必要です。これは拡張子RESのファイルをlink.exeが読めるCOFFタイプのOBJファイルに変換する働きをします。これは、.NET Framework2.0のC:\WINDOWS\Microsoft.NET\Framework\v2.0.50727にあります。

ちなみにC/C++には直接関係ありませんが、このフォルダのなかには、C#やVB.NET関連のファイルがあります。C#に関しては、WisdomSoftさんでも、C#入門・Microsoft.NET入門が用意されています。今回の私のコーナーはC/C++を扱っているので、正面きって取り上げませんが、専用の秀丸マクロは作ってみました。興味のある方は使ってみてください。

番外編Microsoft .NET Framework 2.0 C#用秀丸マクロ詰め合わせセット(2.1KB)

以上のところに、パスを通すように秀丸マクロを作っていますので、もしカスタマイズして別な場所にインストールした方は、マクロを改変してお使いください。


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