【GPARTED-LiveCD】は1CDブートのパーティション操作ソフトである。Partition Magic などのような市販ソフトを髣髴させるグラフィックでありながらも、無料ソフトということで有名である。このプログラムのサイズは50MB程度であるから、マルチブータブルCDのコンテンツに含めておきたいという需要はあると思う。
【GPARTED-LiveCD】を公式サイトからダウンロードしてこよう。私がこのページを書いているときのファイルバージョンは、gparted-livecd-0.3.4-11.iso である。
いつもどおり、gparted-livecd-0.3.4-11.iso の構成を調べてみよう。含まれているフォルダ・ファイルを全て書き出すと下表のようになるが、困ったことに、第7章、8章の時の時のような、それらしいブートローダーが見つからない。
├ boot │ ├ grub │ │ ├ clonezilla.lst │ │ ├ Csplash.xpm.gz │ │ ├ e2fs_stage1_5 │ │ ├ fat_stage1_5 │ │ ├ ffs_stage1_5 │ │ ├ grub.conf │ │ ├ Gsplash.xpm.gz │ │ ├ help.msg │ │ ├ iso9660_stage1_5 │ │ ├ jfs_stage1_5 │ │ ├ menu.lst │ │ ├ minix_stage1_5 │ │ ├ reiserfs_stage1_5 │ │ ├ stage1 │ │ ├ stage2 │ │ ├ stage2_eltorito │ │ ├ ufs2_stage1_5 │ │ ├ vstafs_stage1_5 │ │ └ xfs_stage1_5 │ ├ boot.cat │ ├ gparted │ ├ gparted.igz │ ├ help.msg │ ├ memtest86 │ └ System.map-gparted ├ syslinux │ ├ boot.msg │ ├ options.msg │ ├ splash.lss │ └ syslinux.cfg └ gparted.da
こういうときは、オリジナルがどのようなローダーでブートしているのかを調べてみると参考になる。下の図は、gparted-livecd-0.3.4-11.iso を何も加工せずに、そのままQEMUで仮想実行した時の最初の画面である。画面1行目に書いてある通り、【GRUB】を使っているようだ。【GRUB】は最近好んで使われるブートローダーなので、【GPARTED-LiveCD】以外でも目にすることが多くなると思う。
そこで、BCDWと相性の良い【GRUB4DOS】を併用することで、チェーンロードが可能になりそうだという予想を立ててみた。早速試してみよう。
【GRUB4DOS】の配布ページへ行って必要なファイルをダウンロードしてくる。私がこのページを書いている時点では、grub4dos-0.4.3.zip であった。このファイルを解凍して grldr というファイルのみ取り出しておく。他の内容物は今回は使わない。
いつもの基本構成のxフォルダに、【GPARTED-LiveCD】の全抽出ファイルを融合し、さらにルートに grldr を置く。
x
├ bcdw
│ └ ( 3 個のファイル )
│ bcdw.bin,bcdw.ini,loader.bin
├ boot
│ ├ grub
│ │ └ ( 19 個のファイル )
│ └ ( 6 個のファイル )
├ syslinux
│ └ ( 4 個のファイル )
└ ( 2 個のファイル )
gparted.dat,grldr
bcdw.ini の記載は以下の通り。
[MenuItems]
C:\ ; Boot from drive C:
\grldr ; GPARTED
:PowerOff ; Power Off
【CDRecord フロントエンド】のオプションは、第7章の【Berry Linux】と同様に、Lv.4・Rationalize RockRidge にしておく。上手くいくと下図のように起動する。オリジナルに比べると、もともと【GRUB4DOS】が持っていたメニュー項目が増えているが、オリジナルの機能はすべて受け継いでいる。
【QEMU】を使ってテストすると、1番上の auto-configuration を選んだ場合、途中でフリーズするかもしれない。上図の Force VESA driver を選べば最後までいくと思う。
なお、GPARTEDはパーティションを変更できてしまうので、PC実機で遊び半分にいじっていると、最悪PCが二度と起動しなくなってしまう。知識のある人以外は、実機でのテストは控えた方が良いと思う。仮想PCでテストするのが望ましい。