第10章 Windows 9X系のブータブルCDを組み込む

Windows 9X系のインストールディスク

Windows 9X系のインストールCDは、ブートに関して、2種類に分けられる。

この章では、インストールCDがブータブルなものを取り上げる。例として、Windows Me のインストールCDを使って説明する。このCDをつかうと、以下のような画面が表示される。

ブータブルCDになっているので、CDを入れてPCを起動すると、最初この画面になる。CD-ROMからWin Meをインストールしたい時は、2を選ぶ。

起動画面その1

下の画面に変わる。インストールしたい時は1を選ぶ。

起動画面その2

セットアップ画面へと進んでいく。

セットアップ画面

【Bootable CD Wizard】を使っても、同じ画面で進行するようにしなければならない。

ブート方式の分析とブートイメージの抽出

インストールCDのフォルダ・ファイル構成を、いつものように分析してブートローダーを探してみても、第7章、8章の時のようにはファイルが見つからない。第2章のEl Torito のやり方でBoot Catalog を調べると、ブートのタイプは02h であるから、1.4MBのフロッピーエミュレートであるようだが、第7章の【Berry Linux】の時のように、それらしいファイルが見つからないのだ。

ちなみに、ルートにあるsetup.exe やWin9X フォルダ下にあるsetup.exe をbcdw.ini に指定しても失敗する。これらはWindows やDOS 上で機能するものであって、ブートローダーとして直接指定してもうまくいかない。

このように、ブータブルCDであることは解っているのに、ブートローダーとして適したファイルが見つからない時は、【Super ウルトラ ISO】を使って、ブータブルCDのブートセクタを、1つのファイルとして抽出すると上手くいく場合がある。

まず、CDドライブにインストールCDを入れ、【Super ウルトラ ISO】で下図のように操作する。

ブートイメージの抽出

下図のようなダイアログが出るので、保存先を指定して作成する。拡張子は何でも良いが、【Super ウルトラ ISO】指定のbif で問題ない。

ブートイメージの保存

この作業によって、1.4MBのブートイメージ(上図ではMe.bif)を作成することが出来た。

【Bootble CD Wizard】に組み込む。

ここまで来たら、あとはいつもどおりだ。xフォルダ以下の基本構成に、インストールCD内の全フォルダ・ファイルをコピーし、先ほど作成したブートイメージ(Me.bif)を追加する。bcdw フォルダとwin9X フォルダが同じ階層になるように統合するのがコツである。

x
├ bcdw
│ └ ( 3 個のファイル )                                                      
│    bcdw.bin,bcdw.ini,loader.bin
├ win9x
├ それ以外のサブフォルダ
└ ファイル群                                                         
   Me.bif&その他のファイル

bcdw.ini は、以下のように、自分で作成しておいたブートイメージを指定する。

[MenuItems]
C:\               ; Boot from drive C:
\Me.bif           ; Windows Me Setup
:PowerOff         ; Power Off

その後【CDRecord フロントエンド】を使ってISOイメージに変換して、仮想PCで起動テストをしてみよう。余裕があったら、インストール操作を全部やってみれば良い。ただし仮想PCへのインストールでも1ライセンスとなるので、既に他の環境でそのCDのライセンスを使ってしまっている場合は、テストがうまくいくことを確認したら即座に仮想環境を消去しておこう。

Windows のインストールは、インストールの途中でPCの再起動を求められることが多い。今回の例でも、フォーマット作業のところで早々に再起動を求められる。マルチブート化した場合には、再起動後には必ず【Bootble CD Wizard】のメニュー画面になるので少し戸惑うと思う。

基本的には、必要なファイルがHDDにコピーされる前の段階では「Windows Me Setup」を、その後は「Boot from drive C:」を選べば良い。

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